| S45Cって言うのは炭素鋼の中では一番ポピュラーで加工性に優れた 所謂「鉄」とか「スチール」とか言われる丸棒は全てこれと言って良い 材料です。
が、強度的にはそう強度が強いわけでもない普通の鉄です。
てーか、たしかランク的には鉄族のなかでは下から2ランクくらいの材料です。
一応一般構造材用鋼材ということになっているのでキチンと防錆さえすれば それなりのモノができます。
あと、材料の強度というのは簡単に言えば材料の「断面積」で決まります。
アルミは軽くて強度も高いというイメージがありますが、これは体積当たりの 重量が軽い(比重)が軽いことで同じ重さならアルミのほうが材料的には 体積が大きくすなわち「断面積も大きくなる」したがって鉄よりも強度があるという結論になるわけで、まったく同じ寸法なら鉄のほうが強度は高くなります。
同じような理屈で中空構造は強いという話も同様で同じ重さなら中実構造の 8倍の強度を持つという話がありますが、じゃぁ、その同じ重さの中空構造材が どのくらいの大きさのパイプになるのか?という話でちょっと計算してみてください。 そうすると、別に驚くようなことは何もないことが理解できると思います。
このように強度という言葉に関して結構世間では誤解を招く表現が多用されて いることに気が付くと思います。
炭素銅というのは炭素鋼の間違いかな?
所謂鋼というのは炭素鋼のことです。 炭素鋼とは何かというと鉄に炭素を含ませて熱加工することで、炭素の含む量と 鉄分子構造がどう炭素を結晶中で保持しているかという兼ね合いで硬度が決まり、 靭性や粘性、脆性といった要素が変化して行きます。 このような最終的な材料のパラメーターを望む特性に設定する作業を 調質といいます。 一番有名な調質作業は「焼き入れ」でしょう。 これと対になる作業が「焼きなまし」といわれる作業になります。
ただ、焼き入れは全て望むような結果を招くわけでもないです。 たとえば、炭素量を増やせば増やすほど、焼入れ後の硬度や強度は高くなりますが、棒に力を加えてしならせようとしても真ん中でいきなりシャーペンの芯のように折れてしまいます。 逆に良くしなるように調質すると確かにしなりはよくなりある程度の変形に対 しても復元する力が出てくる反面、比較的弱い力で変形が固定化してしまったりします。(つまり折れ曲がる)
これを今度はしなりも強く、また変形に対する粘り方も強くするとバネとして 使える材料として調質をしたことになります。 その代わり、繰り返しの力の入力に対してポロっと折れる危険性も強くなります。
結構材料は奥の深い話ですよ(笑)
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